今回は、多くの企業で取り入れられている「デザインシステム」についてお話します。
デザインシステムを導入すると、プロダクトのデザインが統一され、複数人での開発がスムーズに進みます。特に、地方の中小企業の皆さんにとっては、限られたリソースで効率的に開発を進める強い味方になります。
それでは、デザインシステムの基本から、人気のデザインツール「Figma」を使った導入方法まで、分かりやすく解説していきましょう!
デザインシステムとは?
デザインシステムの定義
デザインシステムは、プロダクトのデザインを一貫性を持って作るための「道具箱」のようなものです。この中には、デザインのルールブック、よく使うパーツ(コンポーネント)、便利なツールなどが入っています。これを使うと、デザイナーさんと開発者さんが協力して、効率よく仕事を進められるんです。
デザインシステムの歴史
こういった考え方は、決して新しいものではなく、原型は結構昔から存在します。印刷メディアの時代から導入されていて、「デザインガイドライン」や「スタイルガイド」と呼ばれていました。
その後、インターネットが普及して、Webサイトやアプリが複雑になってきたので、デザインシステムもどんどん進化してきました。
近年では、日本のデジタル庁がデザインシステムをFigmaで公開し、話題になりました。
そのような流れで、最近では中小企業でも取り入れるところが増えています。
デザインシステムの中身(コンポーネント)
デザインシステムの中には、こんなものが入っています。
- ボタン
- 入力フォーム
- ポップアップ(モーダル)
- アイコン
- 文字の種類(タイポグラフィ)
- 色の組み合わせ(カラーパレット)
- 画面の区切り方(グリッドシステム)
これらを統一して使うことで、プロダクト全体が同じ雰囲気になり、使う人にとっても分かりやすくなります。これらのパーツを「コンポーネント」と呼びます。コンポーネントを再利用することで、開発時間の短縮や品質の向上にも繋がるんです。
Figmaを使ってデザインシステムを導入しよう
Figmaとは?
Figmaは、ブラウザで使えるデザインツールです。特徴は、みんなで同時に作業できることと、データを手軽に共有できることです。リアルタイムで意見をもらえるので、チームの連携がスムーズになります。デザインツールとして使い勝手が良く、デザインシステムを作るのにぴったりの機能がたくさんあるので、多くの会社で使われています。
Figmaの使い方
- まずはプロジェクトを作って、チームのメンバーを招待します。
- 次に、デザインシステムのパーツ(コンポーネント)を作ります。
- 作ったパーツを「ライブラリ」として保存します。
- これで、他のプロジェクトでも簡単に使い回せるようになります。
Figmaでパーツを管理する
Figmaでは、デザインシステムの各パーツを「ライブラリ」として管理できます。こうすることで、どのプロジェクトでも同じデザインを使えるようになります。パーツの更新や変更も簡単にできるので、デザインの一貫性を保ちやすくなりますよ。
デザインシステムのメリット
デザインが統一される
デザインシステムを導入することで、プロダクト全体で統一されたデザインを実現できます。これにより、ユーザーに一貫した体験を提供でき、ブランドイメージの強化にも繋がります。また、デザインのバラつきを減らすことで、ユーザーの混乱を防ぎ、使いやすさを向上させることができます。
開発がスムーズになる
デザインシステムを使うと、デザイナーさんと開発者さんのコミュニケーションが円滑になり、開発のスピードが上がります。
- デザイナーさん:あらかじめ決まったパーツを使えるので、デザイン作業が早くなる
- 開発者さん:パーツの仕様が明確なので、実装作業がスムーズになる
新しいメンバーも安心
新しいチームメンバーが加わっても、既存のデザインシステムに従えば、すぐにプロジェクトに馴染めます。チーム全体の共通認識ができているので、新メンバーもすぐに力を発揮できる環境が整います。
デザインシステム導入の課題
初期コストがかかる
デザインシステムを作るには、最初にそれなりの時間とお金がかかります。特に、パーツのデザインや使い方の説明書作りなどに時間がかかります。でも、長い目で見れば開発コストを抑えられる可能性が高くなります。
継続的なメンテナンスが必要
デザインシステムは作って終わりではありません。時代に合わせて更新し続ける必要があります継続的にメンテナンスし、時代に合わせてアップデートする必要があります。新しい機能の追加やデザインの変更など、プロダクトの進化に合わせてデザインシステムも更新していく必要があります。
チームの働き方が変わる
デザインシステムを導入すると、チーム全体の仕事の仕方が変わることがあります。今までのやり方に慣れているメンバーは、最初は戸惑うかもしれません。だからこそ、丁寧な説明とサポートが大切です。
柔軟性とのバランス
デザインシステムは効率化には役立ちますが、時として創造性や柔軟性を制限してしまう可能性があります。特殊なケースや新しいアイデアに対応できるよう、ある程度の柔軟性を持たせることが重要です。
デザインシステム導入のステップ
ステップ1: 基本要素を決めよう
まずは、デザインシステムの基本となる要素を決めます。
- 色
- 文字の種類
- 間隔の取り方
- 画面の区切り方
これらが他のパーツの基礎になります。基本要素をしっかり決めることで、プロダクト全体の統一感が出せます。
ステップ2: パーツを作ろう
次に、具体的なパーツ(ボタンやフォーム、ポップアップなど)を作ります。これらは統一されたスタイルで作ることが大切です。パーツを作る時は、下記のようなことに気をつけましょう。
- ユーザーインターフェースのガイドライン
- アクセシビリティ(誰もが使いやすいこと)の基準
ステップ3: チームで共有しよう
作ったデザインシステムをチーム全員で共有し、意見をもらいましょう。みんなの意見を聞くことで、より使いやすいシステムになります。
ステップ4: テストと改善を繰り返そう
デザインシステムを実際のプロジェクトで使ってみて、問題点や改善点を見つけましょう。ユーザーからのフィードバックも大切です。定期的に見直しと改善を行うことで、より効果的なデザインシステムになっていきます。
デザインシステムで効率的な開発を実現しよう!
デザインシステムを導入することで、プロダクトのデザインが統一され、開発プロセスが効率化されます。Figmaのようなツールを使えば、デザインシステムの構築と運用がより簡単になります。
確かに、最初は時間とコストがかかるかもしれません。でも、長い目で見れば、開発の効率化やブランド価値の向上につながるんです。
特に地方の中小企業の皆さんにとっては、限られたリソースを最大限に活用できる強い味方になりますよ。マーケティングや営業など、様々な場面でも活用できるので、ビジネス全体の成長にもつながります。
さあ、みなさんも自社のデザインシステムを作ってみませんか? 一緒に、効率的で魅力的なプロダクト開発を目指していきましょう!