知っておきたい中小企業様向けSEOの基本と誤った解釈について

「ホームページはSEO対策が必要です!」とよく言われていますが、実際のところSEOがどういうものかご存知でしょうか?誤情報も広がっていて、あまり効果がない方法を続けていらっしゃる方もちらほらと見かけます。そこで、この記事ではSEOの基本について、できるだけわかりやすく解説していきます。

とりあえずSEO!と言わず、まずはSEOの理解を深め、できるところから無理なく取り入れていきましょう。


SEOの基本を理解しよう

そもそもSEOとは?

SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、Googleなどの検索エンジンでウェブサイトが上位に表示されるようにするための方法です。具体的には、ホームページを検索エンジンに見つけてもらい、評価されるようにコンテンツや構造を最適化することを指します。

また検索エンジンは、ウェブサイトを閲覧する人が入力したキーワードから最も関連性の高い結果を表示します。検索されそうなキーワードをホームページに盛り込むことによって、より多くのユーザーに見つけてもらいやすくなる、というわけです。

なぜSEOが重要と言われるのか?

SEOは、中小企業にとって非常に重要です。なぜなら、検索エンジンで上位に表示されることで、多くの人にあなたのビジネスを知ってもらうチャンスが増えるからです。検索エンジンでの露出が増えることで、ウェブサイトへのアクセス数が増加し、それが売上や問い合わせの増加につながる可能性があります。


SEOのメリットを知ろう

中小企業にとってのSEOのメリットをいくつか紹介します。

ブランド認知度の向上

SEOを適切に実施することで、検索エンジンの結果ページ(SERPs)で上位に表示されるようになります。これにより、多くの方がブランドを目にするようになり、ブランド認知度が向上します。地域に根ざしたビジネスでは、地域のキーワードで上位表示されて知ってもらうことが重要です。

ウェブサイトへのアクセスが増加

SEOによって検索エンジンのランキングが上がると、ホームページへのアクセスも増加します。検索結果の上位に表示されることで、クリックされる確率が高まり、より多くの訪問者をウェブサイトに誘導できます。

情報が資産となり、コスパのよいマーケティングが可能

一度ホームページに公開した情報は、消さない限りネット上に残ります。追加で情報を公開すれば、その分だけ情報に厚みが増します。このようにして、どんどん積み上げていけば情報資産となります。その状態で上位にランクインすることができれば、広告費は比較的低く抑えることが可能です。広告費を出さなければ止まってしまう有料広告と違い、SEOによる効果は持続的で長期的なビジネスの成長が期待できます。

理論上は、広告費をあまり使わずに集客が可能です。ただし、時間がかかりますし人手も必要です。つまり、SEOは完全にローコストで行うことはできません。


SEOのデメリットも知っておこう

SEOには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

時間がかかる

多くの人がSEOをすればすぐに結果が出ると思われていますが、実際にはかなり時間がかかります。対策して3か月から6か月くらい経つと、ようやく効果が目に見えるようになる、というレベルです。つまりSEOは短期間で結果を出すものではなく、長期的な取り組みが必要です。1年くらいは経過を見ていくつもりで、焦らずに継続的に取り組んでいきましょう。

専門知識が必要

効果的なSEOを実施するためには、専門的な知識とスキルが必要です。検索エンジンのアルゴリズムは複雑であり、常に変動しています。最新のSEOトレンドや技術に対応するためには、継続的な学習と調査が欠かせません。外部の専門家やコンサルタントに依頼する場合も、その費用が発生します。

結果が保証されない

SEOは多くの要因に依存しており、必ずしも期待通りの結果が得られるとは限りません。競合が多いキーワードで上位表示を狙う場合、他のサイトとの競争が激しくなるため、順位を維持することが難しくなることもあります。競合がSEOを頑張っていたら、そのぶん競合の順位が上がります。時間と人手と予算をかけた方が上位になるので、どうしても大手企業が有利になります。また、検索エンジンのアルゴリズムが変わることで、ランキングが急落するリスクもあります。

継続的なメンテナンスが必要

SEOは一度設定すれば終わりではなく、継続的なメンテナンスと改善が必要です。新しいコンテンツの追加、既存コンテンツの更新、リンク構築の維持など、定期的に作業を行う必要があります。これにより、時間と労力がかかることがデメリットとなります。

次に、SEOで多くの方が誤解していることについて見ていきましょう。


よくあるSEOの誤解

「SEOは効果がない」「アクセスが全然増えない」とおっしゃる方も多いのですが、誤った情報が原因である場合がほとんどです。例を見ていきましょう。

対策しないと検索されないという誤解

これは毎回ご説明している事なのですが、ホームページを公開したその日その直後に検索しても検索結果に出ることはありません。何らかの不具合が発生しているわけではなく、時間が経てば検索結果に出てくるようになります。Google検索とはそういうものです。

即効性があると誤解

これも毎回ご説明しているのですが、ホームページを公開してすぐお問い合わせが入ったり商品が購入されるということは原則ありません。SEOを当てにせず、前もって宣伝したり、ティザーサイト(事前告知のためのサイト)を公開したり、広告を出したりなど、あらかじめ準備が必要です。新しい事業を始める時に名刺を配りまくるのと同じですね。

一度行えば効果が持続すると誤解

SEOは、機械的な対策を一度行えば終わり、というものではありません。定期的にサイトの見直しと改善が必要です。検索エンジンのアルゴリズムは常に進化しており、競合他社も新たな対策を行っています。そのため、最新の情報を取り入れながら、定期的にコンテンツを更新していくことが重要です。

例えば競合他社もSEOに取り組んでいた場合、どうなるでしょう?よりSEOに時間や予算をかけた方が上位になります。何もしなければ次第に順位は下がります。

ホームページの情報を常に新しいものに更新し、ブログなどで活動記録や実績報告、お客様からの反響などをこつこつと載せていきましょう。そうすることで閲覧される方の興味に引っかかりやすくなり、徐々に検索されるようになります。

アルゴリズムを攻略しようという誤解

Googleのアルゴリズムは頻繁に変わります。これに対応するためには、最新情報のキャッチアップが必須です。ですが、SEOを悪用する人が増えたため、あまりにも頻繁に変わりすぎる結果になってしまいました。

Googleはアルゴリズムの詳細を一切公開していませんので、専門家でも対処は困難です。ですが、どのようにすれば検索エンジンの評価が高くなるかについて、Googleの公式ブログやガイドラインでアドバイスを提供してくれています。アルゴリズムはあまり気にせず、これらの情報を参考にしましよう。

特定のキーワードだけに依存する誤解

「〇〇というキーワードで上位に表示されるようにしてください!」というご依頼をいただくことはよくあります。しかし、ひとつのキーワードだけで上位表示するのは難しいです。たとえば「カフェ」だけで検索すると、大手飲食店や全国おすすめカフェのまとめサイトなどがずらりと表示され、その中にごく一般的なカフェが入り込む余地はありません。

そこで、ひとつのキーワードに依存するのではなく、複数のキーワードを使うことが重要になります。これをロングテールキーワードといいます。ロングテールキーワードを活用して、多方面からのアクセスを狙っていきましょう。例えば、「カフェ 徳島」だけでなく、「徳島 おすすめ カフェ ランチ」や「鳴門 コーヒー おいしい」など、様々なキーワードで検索されるように工夫することで、ニーズに答えてくれることを期待している方にリーチできるようになります。

『お客様はどんな情報を求めているんだろう?』と、お客様の視点でキーワードを考えていきましょう。

とにかく上位に表示されればよいという誤解

もちろん、検索して上位に表示されることは良いことですし、嬉しいですよね。でも、そのキーワードで検索する方はどのくらいいるのでしょうか?

例えば「徳島 イケメン デザイナー」で1位になったとしても、そんなキーワードで検索する方は多いのでしょうか?検索する人が少ないと上位になっても効果が期待できません。そもそも、そのキーワードで検索された方は本当にお客様候補でしょうか?(イケメンデザイナーを目指しているなら別ですが…)

どのくらい検索されているか、ツールを使って検索ボリュームを調べてみましょう。

とりあえずブログをたくさん書けばよいという誤解

色んな情報を載せることSEOにとって重要なのですが、だからといって何でも良いわけではありません。

ランチブログをいくら投稿しても、アクセスはほとんど増えません。芸能人やスポーツ選手でもなければわざわざブログを見に来てくれませんし、ランチ情報ならそれこそグルメサイトの方がたくさん情報が得られます。

また、過度なアピールも良くないです。宣伝とはいえ、一方的に情報を押し付けられると拒否されやすくなります。お客様はどんなことに興味があるかを考え、関心を持ってもらえそうな内容にしましょう。


すぐに実践できる効果的なSEOとは?

コンテンツの質を高める

ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することがSEOの基本です。具体的には、読者が知りたい情報を詳しく説明し、問題を解決するための実践的なアドバイスを提供することが重要です。

サイトの表示速度とデザインの最適化

ウェブサイトの速度やモバイルフレンドリーなデザインは、SEOにとって非常に重要です。ページの読み込み速度を改善し、スマートフォンでも見やすいデザインにすることで、ユーザーの利便性を向上させましょう。

外部リンクと内部リンクの戦略

信頼性のあるサイトからのリンクを増やすためには、良質なコンテンツを提供し、他のサイトから紹介されるような内容を作成することが重要です。また、内部リンクを適切に設定することで、ユーザーがサイト内を回遊しやすくなり、SEO効果も高まります。


SEOの効果測定と分析

データ分析の実践

データ分析はSEOの改善に欠かせません。アクセス解析ツールを活用して、訪問者の動向を把握し、次のアクションに活かしていきましょう。例えば、どのページがよく見られているか、どのキーワードでアクセスが集まっているかなど、具体的なデータを分析することで、改善点を見つけ出し、効果的な対策を講じることができます。

有名なのはグーグルアナリティクス(Google Analytics 4、GA4)と、グーグルサーチコンソール(Google Search Console、サチコ)で、どちらも無料でできます。WordPressであれば、QAアナリティクスというプラグインだけでほぼ完結しますのでオススメです。

KPIの設定方法

SEOの効果を測定するためには、目的(KGI)と具体的な目標(KPI)を設定し、それをもとに評価していきましょう。例えば、ウェブサイトの訪問者数、コンバージョン率、検索エンジンの順位など、明確な指標を設定することで、SEO対策の効果を正確に測定することができます。


まとめ

基本を理解し、誤解を解消し、継続的に対策を行うことで、インターネット上での存在感を高めることができます。

アルゴリズムが変わっても、「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツを作成しましょう」というGoogleの姿勢に変わりはありませんし、これからも変わることはないでしょう。まずは、どのようなお客様に見てほしいのか、そのお客様は何を求めているのかについて考え、できることから実践していきましょう。