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SEOで1位を取れば問い合わせは増える?検索ボリュームで考える

「SEOで1位が取れます」という提案の価値は、実際にはそのキーワードが月に何回検索されるかで決まります。地方のSEOでは、1位を取っても問い合わせが年に数件しかない、ということもあります。そのような提案を受けたら、順位の約束より先に検索ボリュームと想定する問い合わせ件数を聞いてみてください。

「SEOで上位に表示されるようにしてほしい」というご依頼は、カワセミデザイン舎でも実際によくいただきます。ただ、お話を伺うと、検索回数が多く大手も狙う語(ビッグワード)で1位を目指していることがよくあります。上位表示されたいキーワードがあまり検索されなさそうな語であったり、そもそも上位に出て何を得たいのかが決まっていない。そういうご依頼も少なくありません。

制作会社から「上位表示できます」と提案されたものの、その1位にどれだけの価値があるのか判断できない。あるいは「1位になりました」と報告を受けたのに、問い合わせは増えていない。Web担当の方がそういう状況にいるなら、判断の材料を増やす必要があります。

この記事で伝えたいことは1つです。「SEOで1位」の提案を受けたら、順位ではなく検索ボリュームを聞いてください。答えられない提案は、流入量が計算されていません。

そのうえで、自社はなぜSEOをやるのかを、依頼の前に一度考えてみましょう。

1位を取ると、問い合わせは何件増えるのか?

1位で増える問い合わせの数は、そのキーワードの検索ボリュームで、ほぼ上限が決まります。検索ボリュームとは、あるキーワードが1か月に検索される回数のことです。

同じ1位でも、月に5,000回検索される語と月に50回の語では、ホームページに来る人の数が100倍違います。

徳島の「地域名+業種」の検索回数

当社で、地域名と業種を組み合わせた語の検索ボリュームを調べました(2026年10月25日、Ubersuggest[4])。

キーワード月間検索ボリューム
徳島 工務店390回
徳島 リフォーム390回
徳島 雨漏り 修理30回

どれもツールの推定値で、丸めた数字です。

悩みの型の「徳島 雨漏り 修理」は月30回でした。問い合わせにつながりやすい悩みの型は、検索回数がさらに小さくなることがあります。

さらに、1位を取っても全員がクリックするわけではありません。検索結果の上には広告が並び、地域名で検索するとローカルパック(地図付きの店舗一覧)も表示されるため、検索で1位のページが画面の一番上に見えるとは限らないのです。

今回の語では出ませんでしたが、検索結果の最上部にAI Overviews(AIによる概要)が出る検索もあります。上位でもクリックがほとんどない語の多くでAI Overviewsが表示されていた、という調査もあり[1]、1位であることの効果は、これからさらに小さくなると考えています。

「徳島 工務店」の検索結果。最初の画面は、スポンサー広告と、地図付きの店舗一覧(ローカルパック)で埋まっている

「徳島 工務店」の検索結果の最初の画面(2026年10月25日、当社撮影。社名はぼかしています)。広告と地図付きの店舗一覧で埋まり、通常の検索結果の1位は、画面を下に送らないと見えません。

検索ボリュームから逆算する問い合わせ件数

ここでは仮の数字で計算します。

検索ボリューム 月100回 × クリック率9%[1]× 問い合わせ率1% = 月0.09件(年間で約1件)

クリック率の9%は、業種をまたいだ1位の平均です[1]。問い合わせ率の1%は仮の値です。表の「徳島 工務店」(月390回)で同じ計算をすると、年に約4件になります。

年間1件を少ないと見るか十分と見るかは、1件あたりの粗利で変わります。仮に粗利が200万円の注文住宅なら、年間1件で200万円です。1件5,000円のサービスなら、SEOに費用をかける理由はほとんどありません。

この計算は、依頼の前に済ませてください。1位を取ってから「思ったより問い合わせが来ない」と気づいても、それまでにかけた費用と時間は戻りません。

自社キーワードの検索ボリュームの調べ方

  • Googleキーワードプランナー:Google自身のデータです。Google広告のアカウントが必要で、数字が「100〜1,000」のような幅で表示されることがあります。当社で調べたときも、徳島の3語はすべて幅での表示でした[4]。
  • Ubersuggest:具体的な数字で表示されるため、最初の1回に向いています。無料で使える回数には制限があります[2]。
  • ラッコキーワード:関連する語をまとめて洗い出せます。調べ忘れを防ぐために使います[3]。

調べる語は、次の3つの型で3〜5個ずつ挙げてください。

  • 地域名+業種(例:徳島 工務店)
  • 地域名+サービス名(例:徳島 リフォーム)
  • 地域名+悩み(例:徳島 雨漏り 修理)

3つ目の悩みの型は、検索回数が少なくても入れてください。今まさに困って探している人の語なので、問い合わせにつながりやすいからです。

「1位を取れます」と言われたときの確かめ方

報告書では、順位が主役になりがちです。順位はツールが自動で取ってくれるので、手間がかかりません。一方、問い合わせ件数は、お客さま側で電話やメール、来店を数えないとわからないため、制作する側からは見えにくい数字です。測りやすいものが指標になる、という構造があります。

だからこそ、測りにくい数字まで考えた提案かどうかを、次の質問で確かめてください。メールで聞いてもかまいません。

  1. このキーワードの検索ボリュームはどれくらいですか。
  2. 1位を取った場合、月にどれくらいのアクセスが見込めますか。
  3. そこから、何件の問い合わせを想定していますか。

3つとも数字で答えられる提案は、問い合わせまで設計しています。答えられない提案は、順位そのものを納品物と考えている可能性があります。1位を約束する提案ほど、この3つを聞いてください。

この質問は、相手を試すためのものではありません。投資するかどうかを決めるために、発注する側が当然持っておくべき情報です。

「1位で人の目に触れるのは良いことでは」という意見について

見られること自体に価値がある、という考え方はもっともですが、見られる人数の上限を決めるのも検索ボリュームです。月50回の語で1位を取っても、見られるのは多くて月50回。会社の名前を知ってもらうことが目的なら、その目的に合った語を選ぶ必要があり、結局は、なぜやるのかを先に決めることになります。

SEOに詳しい方からは、検索回数の少ない複合語(ロングテール)を積み重ねて集客を設計しているので、1つの語では判断できない、という意見も出ます。その設計をしているなら、狙う語の数と合計の検索回数も答えられるはずなので、質問の単位が1語から語の集まりに変わるだけです。また、ツールの数字は推定値で、上の表の390回も推定値です。それでも、月30回の語か月390回の語かという桁の違いは判別でき、投資するかを決めるにはその精度で足ります。

実際のご相談からも、「SEOで集客できる」という言葉が先行し、検索上位を目指すことが目標になっていることが多いと感じております。SEOは目的ではなく手段だということを忘れないようにしていただきたいと思います。

地方企業がSEOに投資すべきかの判断基準

検索ボリュームが小さいことは、SEOをやらない理由にはなりません。地方の語は、狙う会社が少なく、検索する人の目的もはっきりしているため、基本的な対策だけで上位に出られることがあります。

判断には、次の式を使ってください。

想定問い合わせ件数(年間)× 成約率 × 1件あたりの粗利 > SEOの年間費用

この式が成り立たないなら、同じ予算を次の手段に回してください。

  • Googleビジネスプロフィール:「近くの〇〇」の検索や地図の表示に出るための対策
  • 口コミの獲得と返信:地方では紹介と口コミの影響が大きい
  • 既存のお客さまからの紹介やリピート:新しく集めるより費用がかからない
  • SNSでの発信:検索される前に、思い出してもらうための手段

ビッグワードで1位を目指す場合は、式の前にもう1つ確かめることがあります。上位を保つには記事を書き続ける必要があるため、社内か外注で、その人手を確保できるかどうかです。

今日からできること

  1. 地域名+業種、サービス名、悩みの3つの型で1語ずつ、無料ツールで調べる。
  2. SEOの提案を受けたら、検索ボリューム、想定アクセス、想定問い合わせ件数の3つを聞く。
  3. 想定問い合わせ件数 × 成約率 × 粗利と、SEOの年間費用を比べる。

SEOの提案を検討しているなら、社長や上司への説明に、この記事の計算と3つの質問をそのまま使ってください。なぜSEOをやるのかを社内で話し合うきっかけにもなります。

出典

  1. 検索順位別クリック率(CTR)2026|総表示3.59億回の実測(ディーボ調査、2026年9月12日公開。調査期間2025年5月〜2026年9月)
    https://devo.jp/seolaboratory/105352/
  2. Ubersuggest ヘルプ「Free Account Key Features and Limits」 https://help.ubersuggest.com/hc/en-us/articles/9704437892635-Free-Account-Key-Features-and-Limits
  3. ラッコキーワード ナレッジ https://rakkokeyword.com/knowledge/8441/
  4. UbersuggestとGoogleキーワードプランナーによる当社調査(2026年10月25日)

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